易しくない 構造物の振動調査と診断法
易しくない 構造物の振動調査と診断法
著者 : 名古屋大学名誉教授・埼玉大学名誉教授
工博 島田 静雄 (
経歴
)
掲載誌 : 橋梁&都市
PROJECT
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あらまし
このレポートは、主として橋梁や建築物などの構造物を対象とした振動測定のデータを解析し、その結果から構造物の健全さを判断する資料を得ることを解説します。この調査の手法は、構造物の耐震性の判定に使うことも視野に入れています。「石橋を叩いて渡る」と言うことわざがあります。石橋は丈夫ですが、それでも、叩くことで安全が確かめられることを言います。構造物の場合にも、振動の性質から健全度を知ることができます。この方法を工学的なシステムに構築し、実践的に利用する方法を、提案するためにまとめました。振動データから、対象とした構造物の力学的性質を判定し、さらに、それがどのような意義を持つかは、構造物の専門家の判断に待たなければなりません。しかし、一般の人でも、ある程度の判断ができるような参考資料も必要です。多くの人が、振動を測定したデータを相互に比較することができるように、情報の受け入れと公開のインターネットサイトを計画中です。そうしておくと、対象とした構造物の性質を客観的に判断することができます。振動解析は、理論的には奥行の深い研究対象ですが、多くの人がデータの集積に協力して頂くと、研究資料として非常に助かります。
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インターネット版について
この「易しくない 構造物の振動調査と診断法」は、雑誌「橋梁&都市PROJECT」(発行:橋梁編纂委員会)に2006年1月号〜12月号に連載されたものです。
(記:株式会社横河技術情報)